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連載

新大学評判記 第46話

東北医科薬科大学 まるで「人身売買」の医師派遣

2023年10月号

 東北医科薬科大学(仙台市)医学部は二〇一六年春、東日本大震災で甚大な被害を受けた東北地方の医師不足を緩和するために、三十七年ぶりに新設された医学部である。この大学の医師派遣について、「若手医師の“人身売買”で巨額の利益をあげている」(同市の民間病院幹部医師)という声が漏れてくる。「人身売買」とは穏やかではないが、医師不足を背景に、大学のモラルが問われるビジネスが見えてくる。
 同大学が発行する「修学資金制度のご案内」には「医学部定員百名のうち五十五名の学生が修学資金制度による経済的支援を受けられます」とある。この制度にはA方式(三十五人)とB方式(二十人)があり、A方式は一律に年間五百万円、B方式は幾つかのパターンに分かれるが年間二百五十万円が六年間にわたり貸与される。
 A方式の場合、二年間の初期研修を終えた後の十年間、所定の東北地方の医療機関に勤務すれば返還が免除される。自治医科大学や他大学の地域枠に比べ、義務年限は初期研修期間を含めて実質的に三年ほど長い。B方式は派遣される県により、義務年限は異なる。

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