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西風 509

「寄らば維新」の風潮

2023年10月号

 政治団体・大阪維新の会が牛耳る大阪府で、「寄らば維新」とも言うべき現象がまた起きた。九月二十四日投開票の東大阪市長選で、これまで自民、公明両党の推薦や支援を受けてきた現職野田義和氏が立場を一転させ、維新の公認で立候補。無所属新人二人の挑戦を退け、五回目の当選を果たしたのだ。恨み骨髄の自民党だったが、候補者を擁立できず「不戦敗」となった。
 このところの維新は内部で不祥事が続き、関西経済浮揚へ頼みとする二〇二五年大阪・関西万博も計画や準備の遅ればかりが注目され、付け入る隙はいくらでもありそうに見える。にもかかわらず、府内の選挙では勢いに陰りが見えない。
 野田氏は故中山太郎元外相の秘書で、日本維新の会の馬場伸幸代表と同じルーツを持つ。他方、東大阪市を選挙区とする衆院大阪十三区では、前回二〇二一年衆院選で維新の新人が自民の前職を破った。五選を狙う野田氏からすれば、自民、公明の支援を受けたところで維新が候補者を立てれば危うい、という計算が働いたのは想像に難くない。市長選告示ほぼ一カ月前の八月十八日に記者会見し「東京に対峙する大阪をつくりたいという考えが維新と一致した」と・・・

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