KDDI「巨額自社株買い」の裏事情
狡猾トヨタの陰で泣いた「京セラ」
2023年10月号
「鳶ならぬトヨタに油揚げをさらわれてしまったのではないか」。京セラ株を保有するある機関投資家はこう愚痴が止まらない。油揚げとは、KDDIが実施したばかりの二千五百億円にものぼる巨額の自社株買いのことだ。
KDDIは七月三十一日から八月二十八日の間、一株あたり三千九百円で自社株TOBを実施していた。買い付け予定株数の六千四百十万二千五百株をわずかに上回る応募があり、KDDIはきっちり二千五百億円分を買い取る。
ディスカウントTOBだったこともあり、一般投資家はほぼ応募しなかった。ほとんどの応募は、トヨタ自動車からだ。トヨタはKDDI株を一四・六七%(三月末時点)保有する第三位株主。今回の株売却で、その保有株を五分の一ほど圧縮したことになる。
KDDIは五月、二〇二三年六月~二四年五月の自社株取得枠を三千億円上限と設定している。その枠の大半を、トヨタからの自社株買いで早々に使い切ってしまった。しばらくは大規模な自社株買いは期待できないだろう。
今回の株取引はトヨタ側からの「株を売却したいという申し入れ」がきっかけだが、じつは京セラも今年になり・・・
KDDIは七月三十一日から八月二十八日の間、一株あたり三千九百円で自社株TOBを実施していた。買い付け予定株数の六千四百十万二千五百株をわずかに上回る応募があり、KDDIはきっちり二千五百億円分を買い取る。
ディスカウントTOBだったこともあり、一般投資家はほぼ応募しなかった。ほとんどの応募は、トヨタ自動車からだ。トヨタはKDDI株を一四・六七%(三月末時点)保有する第三位株主。今回の株売却で、その保有株を五分の一ほど圧縮したことになる。
KDDIは五月、二〇二三年六月~二四年五月の自社株取得枠を三千億円上限と設定している。その枠の大半を、トヨタからの自社株買いで早々に使い切ってしまった。しばらくは大規模な自社株買いは期待できないだろう。
今回の株取引はトヨタ側からの「株を売却したいという申し入れ」がきっかけだが、じつは京セラも今年になり・・・