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政治

岸田の女性登用こそ「女性差別」

多様性とは程遠い「ハリボテ内閣」

2023年10月号

 新たに入閣した女性閣僚への内示は、内閣改造の前夜七時のNHKニュースで流れる約一時間前、文字通りドタバタだった。加藤鮎子こども政策・少子化対策・女性活躍担当相(四十四歳)は「発熱した保育園児の子に薬を飲ませ、戻しちゃったのを片付けていたら、ニュース速報があったと連絡が入って面食らった」と目をキョロキョロ。二階派の自見英子地方創生担当相(四十七歳)は、派閥幹部から「派閥の推薦名簿にはないけど、岸田文雄首相の条件に合うのが他にうちにはいないから」と打診され、仰天した。衆参四十一人いる所属議員で唯一の女性だ。
 内閣情報調査室が入閣候補者の不祥事を調べる「身体検査」もできていなかった内情は、組閣の翌々日に雑誌メディアが加藤氏について政治とカネの問題を報じたことからも分かる。今回の人事の目玉として起用が予想されていた小渕優子自民党選対委員長(四十九歳)は、早速「文春砲」で不透明な資金の流れを指摘された。
 閣僚・党役員人事で、四十代は彼女たち三人しかいない。岸田氏は「女性」と「若手」の人事ノルマを両方満たそうという視点で選んだのだろう。都合のいい数合わせ以外の何ものでもな・・・