中東産油国の「ソブリン・ウェルス・ファンド（ＳＷＦ＝政府系ファンド）」が、国際金融市場で存在感を強めている。産油国ファンドの資産合計は今年、四兆ドル（約五百九十兆円）を超え、世界第三位の経済大国である日本のＧＤＰ（五百四十六兆円＝昨年）をも上回る規模に成長した。
　各ファンドとも、今後成長が見込まれる産業・経済分野に、攻撃的に投資する傾向があり、年間一〇％前後の高成長を続けている。各ファンドの動向は、今や世界経済にとって、目が離せないものとなった。
　サウジアラビアを筆頭に、中東産油国は各ファンドを、国内投資や文化施設建設、さらにスポーツ事業にフル活用する方針だ。今回の資源ブームで、中東の各首都や経済センターは、名実をそなえた「未来都市」に生まれ変われるだろうか。

国富の五倍を投資するＵＡＥ

「サウジのファンド、総合格闘技に進出」「イーロン・マスク、サウジ新工場を目指しサウジのファンドと協議か」「サウジのファンドがインドにオフィスを新設へ」―。
　最近もこんな見出しが次々と経済・・・