フランスの次期大統領選は二七年春で、まだ四年近くも先の事だ。それでも、現職のエマニュエル・マクロン大統領が二期目に入り、次の選挙には出られないとあって、「後継は誰か」の話が早くもかまびすしい。
　前二回の選挙では、極右政党・国民連合（旧・国民戦線）のマリーヌ・ルペン党首が連続して決選投票に進み、いずれもマクロンに敗れた。それでも極右の勢いを感じさせるには十分で、「西欧の大国に極右政権誕生か」と話題を呼んだ。大統領が交代する「次」に向ける鼻息は荒い。
　左派の側も、前回選挙の第一回投票で、「不服従のフランス」のジャン＝リュック・メランション候補が僅差で決選投票を逃した。左派陣営でも「次」に、勢力拡大を狙う。大統領の中道与党「再生」は、左右から挟撃を受ける形だ。
　マクロン大統領が後継含みで頼りにするのが、ダルマナン内相だ。大統領より五歳若い四十歳で、行動力と突破力が魅力とあって、今年の夏はメディアへの登場もめっきり増えた。「目下売り出し中」の若手政治家である。
　名前の響きからは、祖先にアルメニア人がいた可能性も指摘される。祖父はチュニジア生まれ・・・