東京海上「カルテル主導」の罪深さ
損害保険「荒稼ぎ」に渦巻く痛憤
2023年8月号
お手盛りと馴れ合いの果てに―といったところか。事実なら価格カルテルであり、独占禁止法違反(不当な取引制限)は免れない。
企業向けの火災保険料を巡り、入札前に“談合”を繰り返し、価格を事前調整していた疑いがあるとして、東京海上日動火災保険はじめ損害保険大手四社が金融庁から保険業法に基づく報告徴求命令を受けた。
命令の対象となったのは、東京海上のほか損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険。金融庁は七月下旬に各社からの報告がほぼ出揃ったのを受けて本格的な調査を開始。公正取引委員会とも連携を取りつつ実態解明を急ぐ。
疑惑が持ち上がっているのは私鉄大手、東急グループ向けの火災保険だ。保険契約の更改に際し、東急側が四社に対して保険料の見積もり算定を求めたところ、提示された金額が更改前の保険料より総じて二~三割も高く、しかも総額が約三十億円と各社ほぼ横並びの数字だったという。これに違和感を抱いた東急側の担当者が主幹事だった東京海上に対し「不適切な行為」の有無の確認要請をしたことがきっかけとなって浮上した。昨年・・・
企業向けの火災保険料を巡り、入札前に“談合”を繰り返し、価格を事前調整していた疑いがあるとして、東京海上日動火災保険はじめ損害保険大手四社が金融庁から保険業法に基づく報告徴求命令を受けた。
命令の対象となったのは、東京海上のほか損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険。金融庁は七月下旬に各社からの報告がほぼ出揃ったのを受けて本格的な調査を開始。公正取引委員会とも連携を取りつつ実態解明を急ぐ。
疑惑が持ち上がっているのは私鉄大手、東急グループ向けの火災保険だ。保険契約の更改に際し、東急側が四社に対して保険料の見積もり算定を求めたところ、提示された金額が更改前の保険料より総じて二~三割も高く、しかも総額が約三十億円と各社ほぼ横並びの数字だったという。これに違和感を抱いた東急側の担当者が主幹事だった東京海上に対し「不適切な行為」の有無の確認要請をしたことがきっかけとなって浮上した。昨年・・・