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政治

野党間「予備選」のすすめ

政権交代唯一の道は「候補者一本化」

2023年8月号

 自民党支持者からも不人気な岸田文雄首相は、なぜ政権を維持できているか。政治の現状に不満はあっても、何とかしたいという積極的意欲・関心が湧かないのは、本物の野党が存在しないからだ。一見真っ当な政権批判をする野党はあるが、現実に今の与党に代わり得ると期待できる政党でなければ、選挙で投票する選択肢にはならない。そんな野党がいない。
 政権選択の選挙制度は、政権担当能力のある野党が存在しない場合、絵に描いた餅どころか、民主主義の基盤である選挙が事実上成り立たない致命的欠陥をはらむ。政権交代可能な野党の不在は、民主主義破壊の元凶である。
 岸田内閣の支持率がどんどん下落し、上昇するきっかけは当面見当たらない。野党陣営は政権交代へ攻勢に出る好機だが、その気配はない。むしろ野党第一党というしょうもないイスを巡り、立憲民主党と日本維新の会のつばぜり合いばかりが激しくなっている。
 立憲の泉健太、維新の馬場伸幸両代表が七月下旬、互いを身もフタもなくこき下ろした。衆院選での候補者調整を維新が拒否している状況について、泉氏が記者団に「自民党と戦う気がないのなら調整しようがない・・・