「緑の銀行」が見限る三井住友建設
赤字不良企業「身売り先探し」の行方
2023年7月号
三井住友銀行(SMBC)が、中堅ゼネコンの三井住友建設について頭を抱えている。三井住友建設は、自社の不手際によって難局に直面しており、旧村上ファンドにも目をつけられた。同社はSMBCと同様、三井グループの「二木会」、住友グループの「白水会」の両方に属している。すでに、「SMBCが厳しい判断を下す瀬戸際に立っている」(金融業界関係者)といい、予断を許さない。
複雑な事情が絡んだ「案件」
五月十九日、三井住友建設はSMBCを筆頭とする取引各行から、「即時返済を求めない」という合意を得た。この直前に同社は二〇二三年三月期の連結決算を発表し、二百五十七億円の赤字を計上。二期連続の赤字でシンジケートローンの財務制限条項に抵触しており、理論上は一括返済を求められる可能性もあった。ひとまずピンチは乗り切ったとはいえ先行きは暗い。この間の赤字により二一年三月に二七・二%あった自己資本比率は一五・五%まで劣化。取引各行はメーンのSMBCに「下駄を預けている」(前出金融業界関係者)状態で、融資を続行した。そもそもSMBC以外・・・
複雑な事情が絡んだ「案件」
五月十九日、三井住友建設はSMBCを筆頭とする取引各行から、「即時返済を求めない」という合意を得た。この直前に同社は二〇二三年三月期の連結決算を発表し、二百五十七億円の赤字を計上。二期連続の赤字でシンジケートローンの財務制限条項に抵触しており、理論上は一括返済を求められる可能性もあった。ひとまずピンチは乗り切ったとはいえ先行きは暗い。この間の赤字により二一年三月に二七・二%あった自己資本比率は一五・五%まで劣化。取引各行はメーンのSMBCに「下駄を預けている」(前出金融業界関係者)状態で、融資を続行した。そもそもSMBC以外・・・