強欲ファンド「オアシス」の正体
創業者の素性と「次の標的」
2023年7月号
オアシス・マネジメント―。香港に拠点を置くこのファンドを知らない者は、投資の世界ではモグリだろう。今、日本の株式市場で最も勢いのあるアクティビスト(物言う株主)であるのは、衆目の一致するところだからだ。
今年の株主総会シーズンでも、その動きは際立った。アクティビストと言えば、自社株買いや増配などの株主還元強化を声高に要求すると思われがちだが、オアシスの場合はやや異なる。例えば今年は北越コーポレーションの岸本晢夫社長、熊谷組の櫻野泰則社長の再任に反対を表明した。さらにツルハホールディングスには、社外取締役の入れ替えを要求している。
無論、株主還元を迫ることもあるが、基本的にはガバナンスに焦点を当ててくるケースが多い。理由は明快だ。取締役を自分たちの意向を聞いてくれる面々に入れ替えれば、株主還元だけではなく、もっと多くの目論見を前に進めやすくなるからだ。その真の狙いは再編を引き起こすことにある。
その好例が、まさにエレベーター業界で起こったばかりだ。オアシスはフジテック株を十六・五二%持つ大株主として臨時株主総会の開催を要求、創業家の公私混同ぶりを探偵・・・
今年の株主総会シーズンでも、その動きは際立った。アクティビストと言えば、自社株買いや増配などの株主還元強化を声高に要求すると思われがちだが、オアシスの場合はやや異なる。例えば今年は北越コーポレーションの岸本晢夫社長、熊谷組の櫻野泰則社長の再任に反対を表明した。さらにツルハホールディングスには、社外取締役の入れ替えを要求している。
無論、株主還元を迫ることもあるが、基本的にはガバナンスに焦点を当ててくるケースが多い。理由は明快だ。取締役を自分たちの意向を聞いてくれる面々に入れ替えれば、株主還元だけではなく、もっと多くの目論見を前に進めやすくなるからだ。その真の狙いは再編を引き起こすことにある。
その好例が、まさにエレベーター業界で起こったばかりだ。オアシスはフジテック株を十六・五二%持つ大株主として臨時株主総会の開催を要求、創業家の公私混同ぶりを探偵・・・