《罪深きはこの官僚》油布志行(証券取引等監視委員会事務局長)
千葉銀行の犯罪に「大甘」勧告
2023年7月号
証券取引等監視委員会(SESC)の中原亮一委員長は、自らの活動使命について、「資本市場の公正性・透明性の確保と投資者保護の実現」を挙げている。しかし実態は伴っていない。
六月九日、SESCはちばぎん証券と千葉銀行、武蔵野銀行について、仕組み債の販売で法令違反行為があったとして金融庁に行政処分を行うよう勧告した。「いよいよ本腰を入れたか」(某地銀関係者)と身構える向きもあるが、「あまりに悪質だった三社が見せしめになっただけ」(金融業界紙記者)という見方のほうが強い。
今回のSESCの報告を見ると、主に直近の販売状況に言及。その上で、知識の乏しい投資家に売ったという、「適合性の原則違反」で処分勧告をしている。しかし、今回の対象になったとされる日米の株価指数に連動する仕組み債は、そこまで複雑な商品ではない。もちろん、素人に売りつけていいものではないが、千葉銀やちばぎん証券などが過去に販売していた外貨のリンク債に比べればかわいいもの。この損失被害は大きく、「適合性の原則違反のレベルに留まらない悪質な販売をしていた」(前出記者)という指摘が多い。
千葉銀とい・・・
六月九日、SESCはちばぎん証券と千葉銀行、武蔵野銀行について、仕組み債の販売で法令違反行為があったとして金融庁に行政処分を行うよう勧告した。「いよいよ本腰を入れたか」(某地銀関係者)と身構える向きもあるが、「あまりに悪質だった三社が見せしめになっただけ」(金融業界紙記者)という見方のほうが強い。
今回のSESCの報告を見ると、主に直近の販売状況に言及。その上で、知識の乏しい投資家に売ったという、「適合性の原則違反」で処分勧告をしている。しかし、今回の対象になったとされる日米の株価指数に連動する仕組み債は、そこまで複雑な商品ではない。もちろん、素人に売りつけていいものではないが、千葉銀やちばぎん証券などが過去に販売していた外貨のリンク債に比べればかわいいもの。この損失被害は大きく、「適合性の原則違反のレベルに留まらない悪質な販売をしていた」(前出記者)という指摘が多い。
千葉銀とい・・・