甚だうんざり「河野太郎幻想」
大迷惑な「令和のトリックスター」
2023年7月号
「日本を前に進める。温もりのある国へ」。河野太郎デジタル相がウェブサイトのトップページに掲げる標語だ。二〇二一年九月の自民党総裁選に立候補した時から言い出したが、その後指揮してきたマイナンバーカード交付の混乱を見るにつけ、ブラックユーモアとしか思えない。確かに交付数は一億枚に迫る勢いなので、看板の数字上は「前に」進んだかもしれないが、無理に急がせて制度の至る所に膨大なトラブルを生じさせ、日本中に不信と徒労感と苛立ちを広げた。「温もり」とは程遠い。それでも「前進した。多くの人に喜ばれている」と強弁するのが「太郎流」である。批判はブロックして受け付けないためだ。この男は本当に日本を変える「突破力」を備えた「革命児」なのか。真贋を見極めるべき時である。
総裁候補として生き残れるか、石破茂元幹事長のように脱落するのか。「マイナ騒動」で、河野氏は政治生命の岐路に立たされている。岸田文雄首相はデジタル庁に「マイナンバー情報総点検本部」を設置し、責任者の河野氏に秋までに終えるよう指示した。しかし、約一億枚に二十九項目の個人情報がひもづけされ、氏名や顔写真など基本情報の誤りや、端末機の顔認・・・
総裁候補として生き残れるか、石破茂元幹事長のように脱落するのか。「マイナ騒動」で、河野氏は政治生命の岐路に立たされている。岸田文雄首相はデジタル庁に「マイナンバー情報総点検本部」を設置し、責任者の河野氏に秋までに終えるよう指示した。しかし、約一億枚に二十九項目の個人情報がひもづけされ、氏名や顔写真など基本情報の誤りや、端末機の顔認・・・