インドネシア大統領選で注目の「穴馬」
「ジョコ王朝」の継承者は誰か
2023年7月号
インドネシアの総選挙が来年二月に迫った。二〇一九年と同様に大統領選挙と、国民協議会(立法府)の選挙が同時に行われる。現職のジョコ・ウィドド大統領はすでに二期連続で選ばれ、次の選挙には出馬できない。東南アジア諸国連合(ASEAN)最大の民主主義国家の行方を決める、重大な選挙として耳目を集めている。
最も注目される大統領選では、ジョコ大統領に過去二度敗れたプラボウォ・スビアント国防相が、大方の予想を覆して、若年層に人気を広げている。今年十月で七十二歳になる、インドネシア政界の大ベテランは、いったい何を期待されているのだろうか。
スハルトの元娘婿
まず、最近の世論調査を紹介しよう。大統領選は、中部ジャワ州知事のガンジャル・プラノウォ(与党=闘争民主党)、ジャカルタ特別州前知事のアニス・バスウェダン、プラボウォの三つ巴である。五月以降は、プラボウォがガンジャルを抑えて、トップに立つことが増えた。
プラボウォのライバル二人はいずれも五十代前半で、若さを売り物にしている。ところが、若年層の世論・・・
最も注目される大統領選では、ジョコ大統領に過去二度敗れたプラボウォ・スビアント国防相が、大方の予想を覆して、若年層に人気を広げている。今年十月で七十二歳になる、インドネシア政界の大ベテランは、いったい何を期待されているのだろうか。
スハルトの元娘婿
まず、最近の世論調査を紹介しよう。大統領選は、中部ジャワ州知事のガンジャル・プラノウォ(与党=闘争民主党)、ジャカルタ特別州前知事のアニス・バスウェダン、プラボウォの三つ巴である。五月以降は、プラボウォがガンジャルを抑えて、トップに立つことが増えた。
プラボウォのライバル二人はいずれも五十代前半で、若さを売り物にしている。ところが、若年層の世論・・・