《クローズ・アップ》菅野 等(電源開発次期社長)
石炭火力と原発という難題
2023年6月号
電源開発(Jパワー)の社長が七年ぶりに交代する。渡部肇史社長の後任には、同社長と同じく企画出身の菅野等副社長が昇格する。後任レースが荒れることはなく、「ど本命」(電発関係者)が社長の座を手にした。
アメフト部に所属した体育会系だが、頭の回転は速く、人望も厚い。「牡蠣養殖事業などでコケたことを自虐ネタにしているが、そうした失敗を恐れない決断力が強みだ。電力業界にいる人間のほとんどは決められた仕事しかできず、斬新なビジネスを生み出すといってもその入り口にすら立てない。今の時代には必要なトップだ」と手放しで称賛する声が目立つ。
これまでの最大の功績は、二〇三〇年までにCO2国内排出量を四割減らし、五〇年に実質ゼロにする電発の脱炭素計画「ブルーミッション2050」の策定だ。投資家と対話を深め、ESGインデックスへの採用にもこぎつけた。社内では「グリーンJパワーの立役者」との評がもっぱらだ。
だが、社長就任がすっぱ抜かれた三月三十一日と発表翌営業日の四月三日、株価は上昇したものの、上下に髭の長い日足を描いた。株式市場は、脱石炭を掲げる菅野新社長の評価を決めあ・・・
アメフト部に所属した体育会系だが、頭の回転は速く、人望も厚い。「牡蠣養殖事業などでコケたことを自虐ネタにしているが、そうした失敗を恐れない決断力が強みだ。電力業界にいる人間のほとんどは決められた仕事しかできず、斬新なビジネスを生み出すといってもその入り口にすら立てない。今の時代には必要なトップだ」と手放しで称賛する声が目立つ。
これまでの最大の功績は、二〇三〇年までにCO2国内排出量を四割減らし、五〇年に実質ゼロにする電発の脱炭素計画「ブルーミッション2050」の策定だ。投資家と対話を深め、ESGインデックスへの採用にもこぎつけた。社内では「グリーンJパワーの立役者」との評がもっぱらだ。
だが、社長就任がすっぱ抜かれた三月三十一日と発表翌営業日の四月三日、株価は上昇したものの、上下に髭の長い日足を描いた。株式市場は、脱石炭を掲げる菅野新社長の評価を決めあ・・・