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ウクライナで進化する 「IT戦争産業」

ネット企業「最新技術」の実験場

2023年6月号

 ロシアによるウクライナ侵攻は、史上最もサイバー技術が使われている戦争だ。
 ウクライナは、IT(情報技術)大手の下請けが国の主力産業であり、二十万人以上の技術者を抱える、隠れたIT大国である。
 ロシアによる侵攻後は、こうした技術者が情報戦・ネット戦を牽引する一方で、グーグルやフェイスブック(現、メタ)など米国のネット・SNS大手が、本格的なウクライナ支援を続けている。サイバー戦争では、ロシア側は完敗の状況で、国民に何らかの「戦果」を示すことが極めて難しくなっている。
 双方の戦いぶりの違いを象徴したのは、「ウクライナ戦争のスターリングラード」と呼ばれるバフムトの戦いだ。五月下旬、ロシア軍は民間軍事会社「ワグネル」の兵士を大動員して、ウクライナ側の部隊を追い出し、「バフムト勝利」を大々的に発表した。
 ロシアのテレビには、ワグネルのボスであるエフゲニー・プリゴジンが「我々はバフムトを制圧した」と吠える映像、そしてモスクワで祝杯をあげるウラジーミル・プーチン大統領の映像が延々と流された。
 一方ウクライナ側は、グーグル・マップやマクサー・・・

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