トヨタ章男「PBR一倍割れ」の赤恥
歴代最低「経営者失格」の烙印
2023年5月号
トヨタ自動車を十四年近くも率いた豊田章男社長(現会長)が三月三十一日、退任した。当日の株価は一千八百八十円で取引を終え、在任中の実質的な株価は二・六倍に上がったが、指標に目をこらすと、深刻な数字も浮かんできた。
「『PBR一倍割れ』─。当日は〇・九倍だった」。兜町で長く証券市場を見渡してきたある株式評論家は話す。そしてこう続けた。
「退任時の一倍割れは章男氏の父・章一郎さんが社長の時代でも、後を継いだ(章一郎氏の弟の)達郎さん、奥田(碩)さん、張(富士夫)さん、渡辺(捷昭)さんの全ての方においてもありえなかった」
「特に奥田さんの時は二倍を超えており、渡辺さんは株価が下落していたリーマン・ショック後の退任でも、一倍を超えていた」
つまりは歴代社長が守ってきた株式市場によるトヨタの評価の「防衛線」を、章男氏はいとも簡単に破られてしまった訳だ。
PBRは「株価純資産倍率」の略で、現在の株価(時価総額)を企業の資産価値(純資産)で割った指標だ。一倍を切ると資産の方が上回るため、資本市場からの評価が「今ある資産を株主に分配し、企業を解散し・・・
「『PBR一倍割れ』─。当日は〇・九倍だった」。兜町で長く証券市場を見渡してきたある株式評論家は話す。そしてこう続けた。
「退任時の一倍割れは章男氏の父・章一郎さんが社長の時代でも、後を継いだ(章一郎氏の弟の)達郎さん、奥田(碩)さん、張(富士夫)さん、渡辺(捷昭)さんの全ての方においてもありえなかった」
「特に奥田さんの時は二倍を超えており、渡辺さんは株価が下落していたリーマン・ショック後の退任でも、一倍を超えていた」
つまりは歴代社長が守ってきた株式市場によるトヨタの評価の「防衛線」を、章男氏はいとも簡単に破られてしまった訳だ。
PBRは「株価純資産倍率」の略で、現在の株価(時価総額)を企業の資産価値(純資産)で割った指標だ。一倍を切ると資産の方が上回るため、資本市場からの評価が「今ある資産を株主に分配し、企業を解散し・・・