《地方金融の研究》池田泉州銀行
「ネット専業銀行」設立の蛮勇
2023年5月号
「安全・安心で利便性の高いサービスの提供にはさらなる時間と追加投資が必要であり、顧客の期待に沿うサービスのスムーズな提供が現時点では見通せない」。みずほフィナンシャルグループ(FG)と通信アプリ大手のLINEがこう表明して、スマホ銀行設立計画の中止を発表したのは今年三月三十日のこと。システム開発が難航し、遅延に遅延を重ねた挙句の決断だった。
当初二〇二〇年度の開業を目指し資本金と資本準備金合わせ二百五十五億円を注ぎ込んで共同で設立した「LINE Bank設立準備会社」は解散し、清算手続きに入る。
それからわずか四日後の四月三日。ある地方金融グループの本部内に一つの組織が立ち上がった。その名も「デジタルバンク準備室」。みずほとLINEが匙を投げたインターネット専業のデジタル銀行を自分たちの手でつくろうというわけだ。
名乗りを上げたのは池田泉州銀行を中核とする池田泉州ホールディングス(HD)。企画総務部に組織をぶら下げる形をとる。今後、新銀行の基幹業務を担う勘定系システムの詳細な基本設計などを検討したうえ、九月末をメドに事業化の可否を判断。ゴーサインが出・・・
当初二〇二〇年度の開業を目指し資本金と資本準備金合わせ二百五十五億円を注ぎ込んで共同で設立した「LINE Bank設立準備会社」は解散し、清算手続きに入る。
それからわずか四日後の四月三日。ある地方金融グループの本部内に一つの組織が立ち上がった。その名も「デジタルバンク準備室」。みずほとLINEが匙を投げたインターネット専業のデジタル銀行を自分たちの手でつくろうというわけだ。
名乗りを上げたのは池田泉州銀行を中核とする池田泉州ホールディングス(HD)。企画総務部に組織をぶら下げる形をとる。今後、新銀行の基幹業務を担う勘定系システムの詳細な基本設計などを検討したうえ、九月末をメドに事業化の可否を判断。ゴーサインが出・・・