一帯一路で中国が抱えた「大損」
世界にばら撒かれた「債務爆弾」
2023年5月号
中国の習近平国家主席の金看板である「一帯一路(シルクロード経済圏)」構想が、巨額の不良債権を生む見通しになった。
世界銀行などのデータによると、中国が債務救済を迫られたのは、二〇〇八年以降で二千四百億ドル(約三十二兆三千億円)に上るとされている。このほかにも中国側の事情で債務救済を遅らせている事案が多数隠されている。
国際経済の成長は向こう五年間で鈍化する見通しで、中国発の「発展途上国の債務爆弾」がいつ爆発するのか懸念が高まっている。
「危険」な借金国は二十二カ国
ドイツのシンクタンク「キール世界経済研究所(キール研)」や世界銀行、米ハーバード大学ケネディ・スクールのエコノミストたちは三月末、衝撃的な調査結果を公表した。
「国際的な最後の貸し手としての中国」という刺激的なタイトルで、中国がこれまでにばら撒いた一兆ドル(約百三十五兆円)の行方を追ったものだ。
一目で分かるのが、途上国向け債務の性格が大きく変わっていることだ。一〇年の時点では、債務返済に苦しむ国々・・・
世界銀行などのデータによると、中国が債務救済を迫られたのは、二〇〇八年以降で二千四百億ドル(約三十二兆三千億円)に上るとされている。このほかにも中国側の事情で債務救済を遅らせている事案が多数隠されている。
国際経済の成長は向こう五年間で鈍化する見通しで、中国発の「発展途上国の債務爆弾」がいつ爆発するのか懸念が高まっている。
「危険」な借金国は二十二カ国
ドイツのシンクタンク「キール世界経済研究所(キール研)」や世界銀行、米ハーバード大学ケネディ・スクールのエコノミストたちは三月末、衝撃的な調査結果を公表した。
「国際的な最後の貸し手としての中国」という刺激的なタイトルで、中国がこれまでにばら撒いた一兆ドル(約百三十五兆円)の行方を追ったものだ。
一目で分かるのが、途上国向け債務の性格が大きく変わっていることだ。一〇年の時点では、債務返済に苦しむ国々・・・