テイレシアスの食卓 vol.01
異食文化をどう理解するか
河井 健司
2023年4月号
食とは文化的コード、と言われて久しい。すなわち、他国の食文化を正しく理解すれば、その国の背景が見えてくるのである。
とりわけ対象が遠い異国の場合、ある程度の見識を持って理解に努めなければ、異食文化の本質を見極めるのは難しい。くれぐれも用心して読み解く必要がある。
そこで昨今の、日本のフランス料理界を取り巻く環境について考えたい。
虚飾と商業主義に呑み込まれた食ジャーナリズムの発信する情報が、異食文化の本質をミスリードしてはいまいか。
辛うじてごく少数の、智見に長けているジャーナリストが、料理評価のファシズムに抗いしたたかに闘っている様相である。
ここはたとえ時間がかかろうとも、一昔前の骨太な食ジャーナリズムの復権に期待したい。
問題なのはむしろ、智見に乏しい料理人達のほうではなかろうか。
巷で持て囃されているシェフ達の作家的料理と題される品々は、自己顕示欲、名声欲、ついでに金銭欲と、欲の合わせ盛りの体を成している。これでは一皿を完食せずして満腹になる。
異文化ゆえ、フランス料理の本質を見極・・・
とりわけ対象が遠い異国の場合、ある程度の見識を持って理解に努めなければ、異食文化の本質を見極めるのは難しい。くれぐれも用心して読み解く必要がある。
そこで昨今の、日本のフランス料理界を取り巻く環境について考えたい。
虚飾と商業主義に呑み込まれた食ジャーナリズムの発信する情報が、異食文化の本質をミスリードしてはいまいか。
辛うじてごく少数の、智見に長けているジャーナリストが、料理評価のファシズムに抗いしたたかに闘っている様相である。
ここはたとえ時間がかかろうとも、一昔前の骨太な食ジャーナリズムの復権に期待したい。
問題なのはむしろ、智見に乏しい料理人達のほうではなかろうか。
巷で持て囃されているシェフ達の作家的料理と題される品々は、自己顕示欲、名声欲、ついでに金銭欲と、欲の合わせ盛りの体を成している。これでは一皿を完食せずして満腹になる。
異文化ゆえ、フランス料理の本質を見極・・・