世界は「新たな戦前」に
一九三〇年代と「米中対決」の類似点
2023年4月号
中国とロシアの独裁国家が連携して、日米欧の民主主義陣営を揺さぶっている。一九三〇年代に、全体主義が民主主義を脅かしたのと同じような、国際関係の緊張が世界を覆っている。経済面でも、当時の経済のブロック化と同様に、中露両国と日米欧は、互いに経済・資源をフル活用して、相手陣営を弱めようとしている。
二十世紀のブロック化は、第二次世界大戦という人類の大惨事につながった。二十一世紀の両陣営の対決でも、戦争は不可避なのだろうか。三月には米国でシリコンバレー銀行(SVB)が破綻し、「金融危機の暗い時代が来るのか」という不安まで広がった。
独裁か民主主義かの「体制選択」
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が三月末、また吠えた。隣国ベラルーシに戦術核兵器を配備するというのだ。七月までに同国内に核兵器を保管する施設を造るという。ついに「核を使うぞ」という威嚇に出た。
苦悩が続くプーチン大統領にとって、三月はもう一つ、劣勢挽回を予感させる外交イベントがあった。中国から習近平国家主席がモスクワを訪ねてく・・・
二十世紀のブロック化は、第二次世界大戦という人類の大惨事につながった。二十一世紀の両陣営の対決でも、戦争は不可避なのだろうか。三月には米国でシリコンバレー銀行(SVB)が破綻し、「金融危機の暗い時代が来るのか」という不安まで広がった。
独裁か民主主義かの「体制選択」
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が三月末、また吠えた。隣国ベラルーシに戦術核兵器を配備するというのだ。七月までに同国内に核兵器を保管する施設を造るという。ついに「核を使うぞ」という威嚇に出た。
苦悩が続くプーチン大統領にとって、三月はもう一つ、劣勢挽回を予感させる外交イベントがあった。中国から習近平国家主席がモスクワを訪ねてく・・・