JOGMEC 「脱炭素事業」の暴走
経産省「植民地」の無謀な業務膨張
2023年4月号
経済産業省系の独立行政法人「エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)」が業務拡大に暴走を始めた。祖業は石油、天然ガス、金属鉱物の資源開発に取り組む民間企業を資金面で支援し、日本の資源安定調達を進めることだったが、昨年の法改正などで世界的に関心の高まる二酸化炭素の地下貯蔵(CCS)や水素製造、洋上風力発電にまで支援対象を広げた。さらにCCSなどの設備資産を持つ外国企業の買収も支援する。世界的にもまだ実績が少なくリスクが予見不能な分野に脱炭素ブームに乗って突き進む姿は不良資産の山を築き、解体された前身の「石油公団」に重なって来る。
JOGMECは昨年、設置法の改正に伴い、名称を「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」から「エネルギー・金属鉱物資源機構」に変更した。つまり、炭化水素以外の再生可能エネルギーや水素、アンモニア、さらには炭化水素燃焼によって発生する二酸化炭素の回収・貯蔵まで事業範囲を拡大した。エネルギーやレアメタルなどの資源確保、いわば日本経済の「動脈」確保という本来の目的から畑違いの「静脈」にまで手を広げるのは、親元の経産省が「温暖化促進省」と揶揄されているからだ。・・・
JOGMECは昨年、設置法の改正に伴い、名称を「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」から「エネルギー・金属鉱物資源機構」に変更した。つまり、炭化水素以外の再生可能エネルギーや水素、アンモニア、さらには炭化水素燃焼によって発生する二酸化炭素の回収・貯蔵まで事業範囲を拡大した。エネルギーやレアメタルなどの資源確保、いわば日本経済の「動脈」確保という本来の目的から畑違いの「静脈」にまで手を広げるのは、親元の経産省が「温暖化促進省」と揶揄されているからだ。・・・