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政治

「安倍的なる者たち」の落日

《政界スキャン》

2023年4月号

 高市早苗経済安全保障担当相が国会答弁で、総務省の行政文書について「捏造だ」「(違っていたら議員辞職しても)結構だ」「私を信用できないなら質問しないで」と派手なタンカを切りまくり、にわかに孤立を深めている。常軌を逸した強気は、政官界から危険人物として敬遠される。
 安倍晋三元首相亡き後の「保守派のスター」を期待されるだけに、熱心な擁護派からは、内部文書を野党に流した官僚の怨恨説、首相官邸も攻撃を黙認しているとする陰謀説などが盛んに発信された。これに対し反対派は、安倍政権で放送法の政治的公平や報道の自由の原則が偏向していた問題から議論をずらすため大立ち回りを演じていると批判する。
 諸説入り乱れていて分かりにくいが、もし本当に文書が捏造されていたとしたら、当時の総務相だった高市氏の監督責任は重大だ。事実関係がどうであれ、大見得切った高市氏の引責辞任は免れまい。つまり将棋で言えば、もう詰んでいるのに往生際悪く投了しないようなものである。
 それでも昨年の相次ぐ閣僚辞任に懲りた岸田文雄首相は、保守派の恨みも買いたくないので更迭はしない。このまま高市氏の自滅を待ち・・・