中国が「シベリア支配」に本腰
弱体ロシアから資源を「強奪」
2023年4月号
ロシア政府がウクライナ侵攻に全神経を集中する中で、中国のシベリア進出が本格的に動き出した。
中国内陸部とロシア太平洋岸を鉄道でつなぐ合意が結ばれ、ロシアのシベリア・極東地域は将来的に、中国経済圏に深く組み込まれることになった。ロシアのシベリア・極東開発は半世紀以上も掛け声倒れだったが、中国政府が直に乗り出してインフラ整備を進めることで、ロシア側には「中国に植民地化される」との不安が増している。
中国に「北極村」という名前の村があるのをご存じの読者は、かなりの地理マニアだろう。地図を見ると、中国東北部はロシアに向けて、たんこぶのように突き出している。そのてっぺんにあるのが、中国最北端の北極(ベイジー)村だ。
行政的には大興安嶺地区の漠河市に属している。ここが中国最北端の市だ。北極村から数十キロメートル、アムール川を下った地点には、対岸にロシア側のジャリンダという村がある。人口一千人ほどの小さな自治体である。
漠河市からアムール川対岸のジャリンダに渡り、ここから太平洋岸のマガダンまで、鉄道をつなげようという、壮大な構想が中国とロシアの間で動・・・
中国内陸部とロシア太平洋岸を鉄道でつなぐ合意が結ばれ、ロシアのシベリア・極東地域は将来的に、中国経済圏に深く組み込まれることになった。ロシアのシベリア・極東開発は半世紀以上も掛け声倒れだったが、中国政府が直に乗り出してインフラ整備を進めることで、ロシア側には「中国に植民地化される」との不安が増している。
中国に「北極村」という名前の村があるのをご存じの読者は、かなりの地理マニアだろう。地図を見ると、中国東北部はロシアに向けて、たんこぶのように突き出している。そのてっぺんにあるのが、中国最北端の北極(ベイジー)村だ。
行政的には大興安嶺地区の漠河市に属している。ここが中国最北端の市だ。北極村から数十キロメートル、アムール川を下った地点には、対岸にロシア側のジャリンダという村がある。人口一千人ほどの小さな自治体である。
漠河市からアムール川対岸のジャリンダに渡り、ここから太平洋岸のマガダンまで、鉄道をつなげようという、壮大な構想が中国とロシアの間で動・・・