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日米韓「核の傘」共同体の深化

強化される中国陣営への対抗軸

2023年4月号

 米国のジョー・バイデン大統領が、日本の岸田文雄首相、韓国の尹錫悦大統領に対して、「核の傘」を軸にした日米韓三カ国の防衛協議を求めている。欧州防衛のための北大西洋条約機構(NATO)の仕組みがモデルで、三カ国による安全保障連携の常設機関の創設を視野に入れている。
 ロシアと中国が急速に接近し、北朝鮮が両国と親密な関係を維持する中で、核兵器を保有する独裁国家群に、どう対抗していくかが日米同盟の重大課題だ。韓国やオーストラリア、インドなど民主主義国の連携を強めるのが、日米の戦略である。
 岸田首相がいかに「外交の岸田」を自負していたとしても、三月の外交日程は予想外だったろう。
 三月十三日の月曜日に、アンゴラのジョアン・ロウレンソ大統領と会談したのを始まりにして、十四日にオーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相と電話会談。十六日には尹大統領夫妻がやってきて、夜までおもてなしだ。
 十八日には、ドイツのオラフ・ショルツ首相が主要六閣僚を引き連れて首相官邸を訪ね、長時間の二国間対話になった。
 翌十九日からはインド訪問。官邸詰めの記者が「・・・