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社会・文化

「イスラムモスク」が各地で増加中

地域での「共生」に課題諸々

2023年3月号

 埼玉県三郷市の閑静な住宅街にイスラム教シーア派のモスクが立っている。一見、何かのお店のような建物だが、表には赤と黒のケバケバしい看板を掲げ、祈りの時間になると黒ずくめの服を着た外国人で道路が一杯になる。
 アーシュラーの日(イマーム・フセインの殉教日)には、モスクの前で、互いに向かってリズムに合わせて体を叩く。不慮の死を遂げたイマーム(シーア派共同体指導者)の痛みを分かち合う儀式だ。そして、モスクの前で長い列を作り、黒い旗を掲げて、フセインの死を悼む行進が開始される。一般人が道端で出くわせば、たじろぐ異様な光景だ。こうしたイベントの日には、警察も出動して、彼らの行動に目を光らせている。
 集団の中には、日本人らしき親子の姿も見受けられた。日本でもシーア派の信仰が確実に浸透しているようだ。
 現在、シーア派モスクは、三郷市以外にも千葉県と茨城県に一つずつ確認されている。
 ダイバーシティを推進する日本だが、世界各地で起こっているイスラム宗派闘争が、他人事ではなくなりつつある。

宗派闘争の懸念・・・