半導体覇権「台湾人脈」の深謀
「対中封鎖」で米国と結束
2023年3月号
台湾積体電路製造(TSMC)を筆頭に今や世界の半導体産業を牽引する存在となった台湾勢。研究開発と設備への積極投資と「ファウンドリー」と呼ばれる受託生産モデルが成功要因とされる。だが、さらに重要なのは米国に留学し、米国の半導体産業で一大勢力となった台湾人脈の存在だ。高速グラフィックス用半導体(GPU)の世界トップ、NVIDIAの共同創業者、ジェン・スン・フアン(黃仁勳)はその代表格だ。工場を持たないファブレスメーカーとしてのNVIDIAの急成長にも、TSMCなど台湾のファウンドリーが支える相乗効果があった。半導体産業育成が進まない中国に欠けているのも、実は台湾人脈だ。
強固な「台南帮」
「台南帮の仕業」。米西海岸のICT業界でこの数年、密かに語られるフレーズだ。「帮」とはもともと「助ける」という意味だが、その前に地名を付けると「固く結びついた地縁のグループ」を意味する。「福建帮」「香港帮」は「福建マフィア」「香港マフィア」を指す。米西海岸の「台南帮」はもちろん犯罪組織ではなく、半導体業界の中に形成された台湾南・・・
強固な「台南帮」
「台南帮の仕業」。米西海岸のICT業界でこの数年、密かに語られるフレーズだ。「帮」とはもともと「助ける」という意味だが、その前に地名を付けると「固く結びついた地縁のグループ」を意味する。「福建帮」「香港帮」は「福建マフィア」「香港マフィア」を指す。米西海岸の「台南帮」はもちろん犯罪組織ではなく、半導体業界の中に形成された台湾南・・・