国内ワクチン産業に迫る「淘汰」
インフル市場「外資参入」が致命傷
2023年3月号
海外製インフルエンザワクチンが日本に参入する。厚生労働省の部会が一月二十五日、その方針を承認したからだ。今後、海外メーカーが技術革新で開発した高用量や経鼻のインフルワクチンが国内でも利用可能となる。これまでインフルワクチンは厚労省の護送船団方式で、国内メーカーが独占してきた。今回の承認で、国内メーカーは、海外メーカーとの競争に晒されることとなった。海外大手との差は非常に大きい。日の丸ワクチンメーカーは淘汰されてしまうかもしれない。
なぜ、海外製インフルワクチンが導入されるだけで、国内メーカーは大打撃を受ける可能性があるのだろうか。それは、武田薬品工業や第一三共など大企業を除く中小の国内ワクチンメーカーの経営はインフルワクチン頼みだからだ。
日本ワクチン産業協会によれば、現在、日本では十四社からコロナを除き三十五種類のワクチンが販売されている。このうち十三種類は海外メーカーのみが販売している。日本メーカーが販売するのは、残りの二十二種類のワクチンだ。ドル箱は麻疹・風疹・百日咳・インフルなど、費用が公費負担となる法定接種ワクチンである。その中でもっとも売上が大きい・・・
なぜ、海外製インフルワクチンが導入されるだけで、国内メーカーは大打撃を受ける可能性があるのだろうか。それは、武田薬品工業や第一三共など大企業を除く中小の国内ワクチンメーカーの経営はインフルワクチン頼みだからだ。
日本ワクチン産業協会によれば、現在、日本では十四社からコロナを除き三十五種類のワクチンが販売されている。このうち十三種類は海外メーカーのみが販売している。日本メーカーが販売するのは、残りの二十二種類のワクチンだ。ドル箱は麻疹・風疹・百日咳・インフルなど、費用が公費負担となる法定接種ワクチンである。その中でもっとも売上が大きい・・・