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ウクライナ「中露VS米国」の新局面

バイデンが描く「停戦」の難路

2023年3月号

 丸一年を経たロシア軍のウクライナ侵攻で、米国がロシアと中国の双方に対処しなければならなくなった。ジョー・バイデン大統領以下、米政府幹部らの再三の働きかけにもかかわらず、中国の習近平国家主席は、ウラジーミル・プーチン露大統領の延命のため、武器供給を含めた支援に踏み出す方針を固めた。
 中国がロシア支援を鮮明にすれば、中国との経済関係が太い欧州連合(EU)内に、厭戦論が広まるのは避けられない。米国内でさえ、野党共和党は「ウクライナに白紙小切手(全面支援の約束)を渡すな」と、バイデン政権を牽制する声を強め始めた。

「ロシア全面支援」を王毅が公言

 一年に及ぶロシアとウクライナの戦争の中で、二月二十日から二十二日までの三日間は、決定的な転換点として記憶されるだろう。
 二十日には、バイデン大統領がウクライナの首都キーウを電撃訪問し、ウクライナ国民を奮い立たせた。
 その驚きが冷めない二十二日。
 今度は中国外交のトップ、王毅・中国共産党政治局員が、モスクワのクレムリンに姿を現・・・