世界「人口競争」の苛烈
「中印逆転」が示す将来像
2023年2月号
世界の人口動態と、それに伴う地政学バランスが今年、大きく動いている。中国の人口が六十一年ぶりに減少し、その数も八十五万人に達した。二〇二三年一月は、推計でインドが中国を抜いて、世界最大の人口大国になるという、大きな節目の時となった。
二十世紀には中印両国の人口増加は、「人口爆弾」と表現されて、発展の足かせとされてきた。中国は「一人っ子政策」という、史上類のない大規模人口抑制策を三十年以上続けた。その結果、男女比が極めていびつな形となり、中国の人口減は、予測のつかない大きなひずみをアジア、さらには世界全体に与えると見られている。
日本の人口は、一〇年代に世界のトップ10から脱落した。三〇年には十五位まで後退すると予想されている。急速な高齢化と人口減少の中で、全く新しい経済社会モデルを早急に見出さない限り、経済力や国際的影響力の低下は避けられなくなってしまう。
最悪で「九億人が消える」中国
世界の人口問題という巨大なテーマには、無数の現場がある。
全長一千三百キロメートルに・・・
二十世紀には中印両国の人口増加は、「人口爆弾」と表現されて、発展の足かせとされてきた。中国は「一人っ子政策」という、史上類のない大規模人口抑制策を三十年以上続けた。その結果、男女比が極めていびつな形となり、中国の人口減は、予測のつかない大きなひずみをアジア、さらには世界全体に与えると見られている。
日本の人口は、一〇年代に世界のトップ10から脱落した。三〇年には十五位まで後退すると予想されている。急速な高齢化と人口減少の中で、全く新しい経済社会モデルを早急に見出さない限り、経済力や国際的影響力の低下は避けられなくなってしまう。
最悪で「九億人が消える」中国
世界の人口問題という巨大なテーマには、無数の現場がある。
全長一千三百キロメートルに・・・