鳥インフルが示す日本農業の「末路」
一千万羽「殺処分」は人災
2023年2月号
今や日本の全国の養鶏場はすべて真っ白だ。雪ではない。消毒用の消石灰が敷地一面に散布されているからだ。高病原性鳥インフルエンザが全国各地で猛威を振るう中、政府は昨年十二月二十二日に首相官邸で関係閣僚会議を開き、全国的な緊急消毒の徹底を指示した。
感染拡大を防ぐための殺処分は中途半端ではない。昨年秋以降、二十五道県で計六十四例、約一千百七十九万羽(一月二十二日現在)の発生が確認され過去最多を更新中だ。大半は採卵鶏で、全国の飼育数約一億三千万羽のうち約一割の規模に達し、なお感染のピークを見通せない。
供給が減って卵の店頭価格は急ピッチで値上がりしている。飼料価格の高騰も響き、二〇二二年十二月の鶏卵の消費者物価指数(全国)は、前年比七・八%も上昇した。
岸田文雄首相は一月二十三日に施政方針演説を行い、「災害対応・復興支援」の項目で「大雪や鳥インフルエンザなどの対応に万全を期します」と述べた。鳥インフルエンザは大雪と同列の扱いで、農林水産政策を含む「経済」の項目から外された。この首相の認識こそ根本的に間違っている。一千万羽を超える大量殺処分は自然災害ではない・・・
感染拡大を防ぐための殺処分は中途半端ではない。昨年秋以降、二十五道県で計六十四例、約一千百七十九万羽(一月二十二日現在)の発生が確認され過去最多を更新中だ。大半は採卵鶏で、全国の飼育数約一億三千万羽のうち約一割の規模に達し、なお感染のピークを見通せない。
供給が減って卵の店頭価格は急ピッチで値上がりしている。飼料価格の高騰も響き、二〇二二年十二月の鶏卵の消費者物価指数(全国)は、前年比七・八%も上昇した。
岸田文雄首相は一月二十三日に施政方針演説を行い、「災害対応・復興支援」の項目で「大雪や鳥インフルエンザなどの対応に万全を期します」と述べた。鳥インフルエンザは大雪と同列の扱いで、農林水産政策を含む「経済」の項目から外された。この首相の認識こそ根本的に間違っている。一千万羽を超える大量殺処分は自然災害ではない・・・