皇室の風 第174話
「空間識」力
岩井 克己
2023年2月号
悠仁親王の幼い仕草を一瞬捉えた記録映像に衝撃を受けたことがある。
記憶はあいまいで、SNSや宮内庁ホームページでも動画が見つからず、当時の親王が二歳だったか三歳だったかも定かでないが、独り積み木遊びをしている動画である。数個の積み木を縦に積み上げて柱のようなタワーを組み上げている。ひとつ出来上がると、そばに同じようなものをもうひとつ。ツインタワーが出来上がって、当方は「幼いのに失敗しないで器用だな」と、ここまではのんびり眺めていた。
驚いたのは、そのあとだ。親王は最後に「はい、おしまい」とばかりに二本のタワーの下部を両手ですいっと一つに寄せて動画は終わった。少しでも強い力が加われば崩れそうなツインタワーを、ふわっと動かした手さばきは自然体で、油断すると見逃すところを辛うじて気付いてはっと息をのんだ。その「空間識」力に舌を巻いたのである。
以後、誕生日ごとに吹上御苑で捕虫網を振るう姿、巨大シャボン玉を飛ばして姉たちと遊ぶ姿や、宮内庁職員組合文化祭に出品された作品―赤坂御用地のトンボや、どんぐりの立体分布地図、本格的な交通信号機模型などで成長ぶりを感じ・・・
記憶はあいまいで、SNSや宮内庁ホームページでも動画が見つからず、当時の親王が二歳だったか三歳だったかも定かでないが、独り積み木遊びをしている動画である。数個の積み木を縦に積み上げて柱のようなタワーを組み上げている。ひとつ出来上がると、そばに同じようなものをもうひとつ。ツインタワーが出来上がって、当方は「幼いのに失敗しないで器用だな」と、ここまではのんびり眺めていた。
驚いたのは、そのあとだ。親王は最後に「はい、おしまい」とばかりに二本のタワーの下部を両手ですいっと一つに寄せて動画は終わった。少しでも強い力が加われば崩れそうなツインタワーを、ふわっと動かした手さばきは自然体で、油断すると見逃すところを辛うじて気付いてはっと息をのんだ。その「空間識」力に舌を巻いたのである。
以後、誕生日ごとに吹上御苑で捕虫網を振るう姿、巨大シャボン玉を飛ばして姉たちと遊ぶ姿や、宮内庁職員組合文化祭に出品された作品―赤坂御用地のトンボや、どんぐりの立体分布地図、本格的な交通信号機模型などで成長ぶりを感じ・・・