《地方金融の研究》 岩手銀行
川徳「私的整理」の深刻余波
2023年2月号
経営破綻したジェネリック(後発医薬品)大手、日医工の事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)が成立に向けて最終局面に差し掛かっていた昨年暮、東北の地ではもう一つの「私的整理劇」(金融筋)が同じく大詰めを迎えていた。
岩手県盛岡市に本店を置く老舗百貨店「川徳」の再建計画案づくりだ。プランがまとまり対外公表されたのは日医工が十二月二十八日。川徳は新年まで残り三日に迫った翌二十九日だった。その川徳の計画案策定を主導したのが県内トップ地銀でメーンバンクでもある岩手銀行―だ。
川徳は江戸時代末期の一八六六年(慶応二年)創業。二〇二二年二月末で総資産百三十億円強と北東北最大級の百貨店で、盛岡市内に本店「パルクアベニュー・カワトク」と別館「cube-Ⅱ」を構えるほか、郊外で食品スーパーを核テナントとした複合店舗なども展開する。ピーク時の売上高は単体で四百億円規模に達していたとされ、かつては大船渡市や青森県八戸市などにもサテライトショップを出店していた。
毎年十一月に開催する特別セール「えびす講」は今でも「晩秋の盛岡を彩る風物詩」(地元関係者)として知られ、盛岡市内・・・
岩手県盛岡市に本店を置く老舗百貨店「川徳」の再建計画案づくりだ。プランがまとまり対外公表されたのは日医工が十二月二十八日。川徳は新年まで残り三日に迫った翌二十九日だった。その川徳の計画案策定を主導したのが県内トップ地銀でメーンバンクでもある岩手銀行―だ。
川徳は江戸時代末期の一八六六年(慶応二年)創業。二〇二二年二月末で総資産百三十億円強と北東北最大級の百貨店で、盛岡市内に本店「パルクアベニュー・カワトク」と別館「cube-Ⅱ」を構えるほか、郊外で食品スーパーを核テナントとした複合店舗なども展開する。ピーク時の売上高は単体で四百億円規模に達していたとされ、かつては大船渡市や青森県八戸市などにもサテライトショップを出店していた。
毎年十一月に開催する特別セール「えびす講」は今でも「晩秋の盛岡を彩る風物詩」(地元関係者)として知られ、盛岡市内・・・