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経済

著名投資家たちの「頭の中」

混迷の相場を読むヒント

2023年2月号

「これまでの十年より、次の十年の株のリターンは低くなるだろう」。著名投資家スタンリー・ドラッケンミラー氏は昨年から繰り返し述べている。キャリア四十年のなかで「リターンがマイナスの年が一度もない」という同氏の「冷静な悲観」は真っ当だろう。今年の景気や相場については著名投資家の多くが悲観的な見方をしている。だが厳しい相場にも投資機会は常にある。投資家たちの言動をみてみよう。
 強気派を自認するレオン・クーパーマン氏(オメガ・アドバイザーズ創業者)は一月「現在の金利は低く、まだまだ利上げが必要」と述べた。S&P500指数は3000台前半まで下落する可能性を四五%とみる。
 今回のバブル崩壊の警鐘を早くから鳴らし、常に悲観的なジェレミー・グランサム氏(GMO共同創業者)は「最大で2500まで下落する」と暗い先読みだ。
 チャーリー・マンガー氏(バークシャー・ハザウェイ副会長)やハワード・マークス氏(オークツリー・キャピタル・マネジメント共同創業者)らも同様の悲観論で口をそろえる。
「超低金利時代が終わった」という構造変化の認識はコンセンサスになりつつある・・・