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北朝鮮「原子力潜水艦」建造の妄執

苦境のロシアが技術協力

2023年2月号

 ロシア、北朝鮮という二つの「ならず者国家」が水面下で戦略的連携を強化している。北朝鮮はロシアが不足する武器・弾薬や戦闘服を提供、労働者をウクライナ東部ドンバス地方に派遣する計画もある。
 これに対し、北朝鮮は悲願の原子力潜水艦保有に向け、ロシアに原子炉など主要部品の提供を求めているとの情報がある。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)開発を進める北朝鮮にとって、海中での航続距離が長く、追跡も難しい原潜は対米核戦略の切り札になる。
 金正恩総書記は二〇二一年一月の朝鮮労働党大会で、核兵器開発五カ年計画の重要項目の一つとして、「原子力潜水艦と水中発射核戦略兵器」の保有を表明した。だが、原潜を稼働させる小型原子炉開発は容易ではなく、ロシアから提供を受けるのがてっとり早い。
 北朝鮮が何度も発射実験を行った大陸間弾道ミサイル(ICBM)の飛距離は最高五千キロ程度で、これでは米本土に到達できない。しかし、原潜にSLBMを搭載し、近海に移動すれば、米本土攻撃が容易になる。位置の特定が難しい原潜の場合、米本土攻撃後の逃走が可能で、対米抑止力を強化できる。日本や韓国にとって・・・