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WORLD

「宇宙軍拡」中国の脅威増大

実戦遂行の日は遠くない

2023年1月号

SFの話だった「宇宙戦争」がにわかに現実味を増している。その最初の当事者になりそうなのが、日本を含む東アジアの国々とあっては、穏やかではない。ロシアのウクライナ侵攻で明らかになったように、衛星軍事情報は地上での戦闘の行方を決定づける。
 中国の習近平国家主席が企てる「台湾統一」に向けた軍事戦略では、宇宙での活動が大きな役割を果たすと見られる。日本と米国の軍事情報を遮断するために、日米の衛星に対して、先制攻撃を仕掛けるのだ。ハイテク戦争で決定的な「目」を失った米軍と日本の自衛隊は、完全に戦意を喪失する。中国軍はそれを見極めてから、陸海空軍を一斉に台湾に向けて動かすというシナリオだ。
 台湾海峡や周辺海域では、比較的穏やかな日々が続いている。二〇二二年八月に、ナンシー・ペロシ米下院議長が台湾を訪問した後で、中国人民解放軍は、海軍、空軍、ロケット軍、戦略支援軍、統合後方支援軍を総動員して、大掛かりな軍事演習を行った。冬の海は今、そんなことがなかったかのように静かである。
「実は宇宙戦争では、こういう瞬間が最も危険とみられている。中国人民解放軍が、中国国内の基地で・・・