ぶり返す「イスラム国」の恐怖
南米と欧州がテロの拠点に
2023年1月号
南米のブラジルで「イスラム国(ISIS)」の危険分子が密かに成長を続けている。
ブラジルは、毎年約六万件の殺人事件が起こる犯罪大国として名高いが、これまでテロや過激派とは比較的無縁の国であった。
しかし近年、シリアから逃れたISIS戦闘員が、ブラジル南部の国境付近に流れ込み、現地の武器や麻薬の密売人と手を組んで、新たなテロ活動の拠点の設立を企んでいる。
そもそもブラジルがテロの標的とされたのは、二〇一六年にオリンピックの開催国であったことが大きな理由だ。世界各国から大勢の要人や観客が集うオリンピックは、テロリストにとって恐怖と混乱を生み出す格好の餌食であった。オリンピック開催前後にはISIS支持者の逮捕も相次いだ。
ブラジルのイスラム機関連合の宗教問題部長でモロッコ人のアル=サーディク師は、次のように警鐘を鳴らしている。
「現在、ISISは、表現の自由を許容するブラジルの法律を最大限に悪用して、彼ら独自のイスラム思想の喧伝と幅広い活動を行っている。ブラジル各地のISIS支持者と協力して、ビジネスを展開し、居住権を取得している」・・・
ブラジルは、毎年約六万件の殺人事件が起こる犯罪大国として名高いが、これまでテロや過激派とは比較的無縁の国であった。
しかし近年、シリアから逃れたISIS戦闘員が、ブラジル南部の国境付近に流れ込み、現地の武器や麻薬の密売人と手を組んで、新たなテロ活動の拠点の設立を企んでいる。
そもそもブラジルがテロの標的とされたのは、二〇一六年にオリンピックの開催国であったことが大きな理由だ。世界各国から大勢の要人や観客が集うオリンピックは、テロリストにとって恐怖と混乱を生み出す格好の餌食であった。オリンピック開催前後にはISIS支持者の逮捕も相次いだ。
ブラジルのイスラム機関連合の宗教問題部長でモロッコ人のアル=サーディク師は、次のように警鐘を鳴らしている。
「現在、ISISは、表現の自由を許容するブラジルの法律を最大限に悪用して、彼ら独自のイスラム思想の喧伝と幅広い活動を行っている。ブラジル各地のISIS支持者と協力して、ビジネスを展開し、居住権を取得している」・・・