サウジアラビアが「核兵器開発」の歩を進めている。不俱戴天の敵であるイランが、核兵器開発を加速させているのをにらみながら、中国の習近平国家主席から「核開発への協力強化」の約束を、改めて取り付けた。中東情勢が緊迫度を増す中で、サウジのファイサル外相は「自分たちの安全保障は自分たちで面倒を見る」と不敵な自信を見せている。
　二〇二二年十二月の習主席のサウジ訪問は三日にわたる長旅だった。この間、サウジのみならずアラブ諸国、湾岸協力会議（ＧＣＣ）加盟国を集めて、それぞれ首脳会議を行った。
　このマラソン日程の最後に、衝撃が待っていた。首都リヤドで行われたＧＣＣと中国の首脳会議後の共同声明が、「見たことがないほど反イラン的」（中東外交筋）だったからだ。
　声明はまず、イランの「地域を不安定にする活動」をはじめ、テロリスト組織の支援や弾道ミサイル拡散、ドローン輸出など、イランの悪行を並べ立てて非難した。

中国の「反イラン」が鮮明に

　決定的だったのは、イランとアラブ首長国連邦（ＵＡＥ）が領有・・・