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政治

創価学会・原田会長 「交代説」の裏側

公明党「選挙戦略」を揺るがす一大事

2022年12月号

 言わずと知れた日本最大の新宗教団体・創価学会。連立与党の一角を占める公明党の支持母体として政治、社会に大きな影響力を持ってきた。十一月上旬、学会の原田稔会長が近く交代するとの噂が内部で流れた。御年九十四歳の学会のカリスマ、池田大作名誉会長の死亡説は定期的に外部から流れるが、会長任期途中で交代説が内部から流れるのは珍しい。
 原田は二〇〇六年十一月に第六代会長に就任。青年部長や総東京長も歴任したが、池田の秘書部門、第一庶務の統括を長年務めていた関係から就任当初は「中継ぎ」「単なる事務屋」などと囁かれた。池田が一〇年五月を境に公の場に姿を見せなくなって以降、一七年に会憲を制定し会長権限を強化するなどして権力基盤を固め「名実ともにトップ」として君臨する。
 今や原田の力は強大だ。学会・公明党の選挙を長年仕切り、学会の「政治部長」と呼ばれる佐藤浩副会長が昨年二月、学会職員を定年退職した。にもかかわらず原田のお墨付きの下、昨年の衆院選、今年七月の参院選も以前と変わらず切り盛りした。今も岸田政権中枢と連絡を取り合い、衆院小選挙区を「十増十減」とする改正公職選挙法の成立に伴って・・・