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政治

岸田「開成・筑駒・灘」政権の脆さ

《政界スキャン》

2022年12月号

 一カ月で閣僚三人更迭―。もし民間企業で同じような取締役の辞任が続いたら、社長の交代は免れない。それでも岸田文雄首相は「任命責任を重く受け止め、おわびする」と陳謝するばかり。周辺によれば「本人は苛立ちはしても全くめげていない」という。しばらく選挙の審判がないので続投する、というのが政治のプロたちの一致した見方である。そのため、世間に広がる「しょせん首相の器じゃなかった」「早くやめて欲しい」といううんざり感を横目に、自民党内に「岸田下ろし」の機運はない。それどころか来年度予算編成が終わったら、年末か年明けの内閣改造による出直し論も強まっている。どうやらまだ当分「器じゃない首相」に付き合わなければならないようである。
 だとすれば、なおさら究明が必要である。岸田氏の「人事下手」はどういうわけなのか。昨年十月に首相になると二週間後に衆院を解散。自民党総裁選の論功行賞で作った第一次内閣は任期が一カ月余りしかなかったので、林芳正外相以外の閣僚は第二次内閣に再任された。参院選でも勝ち、就任一年を前に今年八月に作った現在の第二次岸田改造内閣は、党内主流派の茂木派・麻生派・岸田派を重視する大・・・