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政治

岸田と財務省 「デタラメ財政」の大罪

「生活苦」はもっと悪化する

2022年12月号

 朝令暮改の方針転換や朝三暮四の政策修正が、在任一年を超えた総理大臣・岸田文雄のお家芸になってきた。戦略なき行き当たりばったりの傾向は経済・財政政策でも顕著で、岸田の予測不可能性に気付いた経営者は不信を募らせ、企業や人材の「日本離れ」が加速する懸念も強まっている。
 使途を事前に定めない予備費を中心に一夜で四兆円も積み増し、十月二十八日に閣議決定された経済対策は、旧統一教会問題などで低迷する内閣支持率を「バラマキ」で反転させる思惑があったにせよ、岸田の経済・財政政策の「芯」のなさを浮き彫りにした。
 巷に伝わる経緯は、こうだ。
〈十月二十六日午前、総理大臣官邸で財務大臣・鈴木俊一から事業規模二十五兆円の経済対策を示された岸田は、その場で自由民主党政務調査会長の萩生田光一に確認の電話をかけた。折しも党側で詰めの協議中だった萩生田は、「党で中身を積み上げるより先に総理大臣と財務大臣が総額を決めるのは順序が違う」と憤り、党側の強い反発を受けた岸田が同日夜、四兆円の積み増しを受け入れた〉
 しかし、岸田周辺によると、岸田は経済対策の策定にあたり、「財務省・・・