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プーチンが「核のボタン」を押す日

米露要人「緊急会談」の謎

2022年12月号

 ウクライナ戦争が泥沼化する中、米露間で十月以降、国防・情報幹部の接触が進んでいる。十一月十四日、バーンズ米中央情報局(CIA)長官とナルイシキン・ロシア対外情報庁(SVR)長官がトルコのアンカラで会談。ウクライナ侵攻後最高レベルの高官対面接触で、会談は米側の要請で行われた。
 オースティン米国防長官も十月二十一、二十三の両日、ロシアのショイグ国防相と二度にわたって電話会談を行った。一回目は米側、二回目はロシア側の要請で行われた。ホワイトハウスは十一月七日、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)がプーチン大統領の腹心であるパトルシェフ安保会議書記、ウシャコフ大統領顧問(外交担当)と断続的に協議していることを明らかにした。
 日本の一部メディアは、停戦に向けた米露間の瀬踏みと報じたが、米政府高官は、核使用の問題とロシアで拘束されている米女子プロバスケットボール選手の釈放問題が主要議題とし、停戦協議を否定していた。
 米側が最も懸念するのは、苦戦続きのロシアがウクライナで戦術核兵器を使用する可能性であり、使用を阻止するため接触したようだ。その背後で、米側はロ・・・