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経済

米ITバブルの「大底」は来年

景気後退後の株式市場の先行き

2022年12月号

 米ニューヨーク株式市場でナスダック総合指数は昨年十一月に史上最高値一六〇五七ポイントをつけた後、今年に入り下落が続き、十月十四日の安値まで二五%下落していたが、ここへきて急反発している。だがこれは吉兆ではない。バブル崩壊の底はまだみえていない。景気後退入りは「来年前半」。大底はこれからだ。
 十一月十日は前日比七六一ポイント上昇し、七・四%という二〇二〇年三月のコロナショック時以来の急騰をした。一日の上昇率としては一九七一年以降で十四番目の記録だ。
 極端な急騰は弱気相場で起きやすい。一日の上昇率で上位二十回の記録のうち十六回が弱気相場で発生した。「下落がコンセンサス」の時は、大きなショートカバー(空売りの買い戻し)が起こりやすい。
 十月の安値が大底だった可能性は低い。過去七十年、景気後退入前に大底を打ったことは一度もない。これが、最も明快な答えだ。
 また、大底シグナルの一つである信用取引の証拠金債務残高は減り方が大底圏に達していない。大底を打つには、もっと市場の「痛み」が必要だ。
 S&P500指数の原稿執筆時点での予想EPS(・・・