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政治

《罪深きはこの官僚》高城 亮 (厚生労働省健康局参事官)

コロナワクチン 「大量廃棄」に加担

2022年12月号

 十一月八日に閣議決定された二〇二二年度の補正予算案に、来年分の新型コロナワクチン調達のための四千七百五十億円が盛り込まれた。これで九千万回分を確保するという。
 各国によるワクチン争奪戦は記憶に新しい。日本は二〇年内にモデルナ、アストラゼネカと契約を結んで一億九千万回分を確保。そして二一年一月には、ファイザーと一億四千四百万回分の供給合意に至った。当初は混乱したが、最低限の確保には成功したといえる。
 しかし、その後も日本政府はワクチンを調達し続けた。今年の春までに、約二兆四千億円、八億八千万回分を購入している。
「明らかに過剰に買ってしまった。厚生労働省の責任は重い」
 同省関係者はこう指摘する。ではどれだけ使用されたのか。十一月二十二日現在で、国内の延べ接種回数は三億四千万回余り。これは、五回目のワクチン接種を受けた人の分(約五百三十万回)も含まれている。つまり、現時点で、約五億四千万回分のワクチンが使われていない。
 八億八千万という数字には、これまで調達した分が全て含まれる。国内では接種されず、一部が台湾に無償提供されたアスト・・・