「漁獲激減」大西洋とアジアの海
乱獲と気候変動に打つ手なし
2022年12月号
世界の海洋で、地球温暖化と乱獲により、漁業資源が減少している。中でも沿岸各国で漁業が盛んな北大西洋と東アジアは深刻で、温暖化による個体数の減少と乱獲のダブルパンチに見舞われている。
研究者の間では、北大西洋と日本海の漁業資源減少が最も著しく、「約九十年前との比較で三五%減少した」との調査結果がある。地球温暖化がいよいよ、日本人の食生活に影響を与え始めた。
人間とアザラシが魚の奪い合い
英国スコットランドを流れるディー川で十一月、珍しい光景が連日、見られた。
ジェットスキーが数隻、川の中流から下流まで往復を繰り返した。目的は、アザラシを川から追い払うためだ。アザラシは、アトランティックサーモンを狙っている。この時期に産卵のため、スコットランドの川を遡上する。
「率直に言えば、限られた漁業資源を人間とアザラシが奪い合っている。サーモンが目に見えて減っている。絶対に産卵は守らなければならない」と、スコットランドの漁業資源保護担当者は言う。
昨年はサーモンの漁獲量が約・・・
研究者の間では、北大西洋と日本海の漁業資源減少が最も著しく、「約九十年前との比較で三五%減少した」との調査結果がある。地球温暖化がいよいよ、日本人の食生活に影響を与え始めた。
人間とアザラシが魚の奪い合い
英国スコットランドを流れるディー川で十一月、珍しい光景が連日、見られた。
ジェットスキーが数隻、川の中流から下流まで往復を繰り返した。目的は、アザラシを川から追い払うためだ。アザラシは、アトランティックサーモンを狙っている。この時期に産卵のため、スコットランドの川を遡上する。
「率直に言えば、限られた漁業資源を人間とアザラシが奪い合っている。サーモンが目に見えて減っている。絶対に産卵は守らなければならない」と、スコットランドの漁業資源保護担当者は言う。
昨年はサーモンの漁獲量が約・・・