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WORLD

「アルバニア・マフィア」が世界で猛威

欧米で変わる「闇社会」勢力図

2022年12月号

 東欧の小国アルバニアの犯罪組織が、米国と欧州の地下社会で急速に勢力を伸ばしている。
 本国の人口は三百万人足らずで、大半の国の一般市民にとって「どこにあるのか?」も定かではない。そんな国の犯罪組織が、イタリアのマフィアや南米諸国の麻薬カルテルと対等にやりあっているという図式は、にわかには理解しがたいだろう。
「アルバニア・マフィア」と総称される犯罪集団は今、英国の麻薬密売をほぼ独占しているほか、欧州全土の人身売買市場も牛耳っている。米国ではニューヨークなど大都市圏で、既存の犯罪組織の牙城を脅かしている。いったい何が、この小国のマフィアを各地にはびこらせているのか。

欧州麻薬市場に革命を起こす

 今年の英政界は二度も首相退陣劇があり、大揺れだった。この騒動に隠れていたものの、内務省も今年は不法移民の襲来によって、大忙しだった。
 英仏海峡を小舟で渡る移民が激増し、十一月までに年間四万人を突破した。内務省にとって、これ自体が重大危機だが、その内訳がまた慄然とするものだった。
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