中国経済はどこまで「退行」するか
司令塔不在「巨大市場」の迷走
2022年12月号
習近平政権第三期が始まった中国経済は車で言えば変速機がリバース(後退)に入ったままアクセルを踏み続け、過去三十年の高成長の成果を急速に食い潰している。汚職・腐敗との戦い、公平な社会の実現を存在意義とする習政権にとって、高成長の追求は意味をなさないからだ。米中対立による産業技術の劣化と輸出の減少、不動産不況とそれに連動した金融危機は深刻さを増している。だが、経済の舵取り役は政権中枢にはもはや見当たらない。「建国百年」に向けた長期の国家戦略はあっても、足元の経済立て直しに有効なカードを持たない悲劇が中国の庶民と企業を襲いつつある。
五人の男たちが収まった一枚の記念写真が中国の国内外で人々を驚かせ、不安をかき立てている。フェイクの可能性も排除できないが、写真には中央の習氏を挟んで李強、丁薛祥、蔡奇、李希の各氏が並び、二〇〇五年に浙江省淳安県で撮影されたとの説明がつく。カジュアルな服装からみて、親しい間柄がうかがえる。言うまでもなく、今回の党大会で選出された共産党政治局常務委員七人のうちの五人である。
中国の最高指導部のうち五人が十七年前からこれほど親しかったとすれば・・・
五人の男たちが収まった一枚の記念写真が中国の国内外で人々を驚かせ、不安をかき立てている。フェイクの可能性も排除できないが、写真には中央の習氏を挟んで李強、丁薛祥、蔡奇、李希の各氏が並び、二〇〇五年に浙江省淳安県で撮影されたとの説明がつく。カジュアルな服装からみて、親しい間柄がうかがえる。言うまでもなく、今回の党大会で選出された共産党政治局常務委員七人のうちの五人である。
中国の最高指導部のうち五人が十七年前からこれほど親しかったとすれば・・・