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「環境大国」ドイツの大嘘

石炭火力も原発も一転「OK」

2022年12月号

「環境大国」を自負するドイツが、環境政策で迷走を続けている。
 今年末で稼働を終えるはずだった原子力発電所は、土壇場で稼働延長が決まり、「最も汚い化石燃料」と形容していた石炭も当面、使用を継続する。
 ロシアのウクライナ侵攻により、「エネルギーの対露依存をやめる」と内外に宣言したのが直接の原因だが、「自国の環境優先で、他国には無関心」という環境エゴイズムも露骨になってきた。ドイツ国内では「もはや環境大国ではない」という厳しい批判が連邦政府に向けられている。
 環境政策におけるドイツの偽善を象徴する場所が、ドイツから遠く離れた南米コロンビアにある。
 ベネズエラ国境に近いエル・セレホン炭田は、七万ヘクタールもの広さがあり、地元では「怪物」と呼ばれている。労働環境が劣悪で、環境破壊に関する対策はゼロに等しい。周辺に居住する先住民ワユー族はずっと、世界に健康被害を訴えてきた。
 そんな悪名高い炭鉱からの輸入を増やそうと、オラフ・ショルツ首相(社会民主党)率いる三党連立内閣は、コロンビアの首都ボゴタ詣でを続けている。

「二重基準の極致」「赤裸々な偽善」・・・