少子化と「性病」の深い関係
国が放置する「不妊増加」の要因
2022年11月号
日本の少子化が止まらない。二〇二二年上半期の出生数は三十八万四千九百四十二人で、前年同期と比べ約二万人減少した。二一年は、一八九九年に調査を開始して以来最低の八十一万一千六百二十二人だった。政府は様々な対策を講じているが、一つ大きな問題を見落としている。クラミジア感染症だ。この病気を防げば、少子化対策に確実に効果があることは科学的に証明されている。ただデリケートな問題が横たわる。対応に取り組む米国に比べ、日本は無策と言っていい現状である。
クラミジア感染症は性感染症の一つでクラミジア・トラコマチスという細菌が、性行為により粘膜に感染することにより生ずる。男性なら尿道炎、女性なら子宮頸管炎、男女とも咽頭炎などの病気を引き起こす。早期に抗生剤を服用すれば、後遺症なく治癒する。しかし、感染者の多くが無症状あるいは軽症のため、慢性感染へと進行しやすい。
この結果、女性の場合、感染者の一〇~一五%が骨盤内に炎症が拡大し、卵管障害を来すことがある。両側の卵管障害などの重症例は不妊の原因となる。亀田IVFクリニック幕張(千葉県)の医師たちの調査によれば、クラミジア感染の既往・・・
クラミジア感染症は性感染症の一つでクラミジア・トラコマチスという細菌が、性行為により粘膜に感染することにより生ずる。男性なら尿道炎、女性なら子宮頸管炎、男女とも咽頭炎などの病気を引き起こす。早期に抗生剤を服用すれば、後遺症なく治癒する。しかし、感染者の多くが無症状あるいは軽症のため、慢性感染へと進行しやすい。
この結果、女性の場合、感染者の一〇~一五%が骨盤内に炎症が拡大し、卵管障害を来すことがある。両側の卵管障害などの重症例は不妊の原因となる。亀田IVFクリニック幕張(千葉県)の医師たちの調査によれば、クラミジア感染の既往・・・