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経済

《クローズ・アップ》シュテファン・カウフマン(オリンパス次期社長)

「悪夢」以来の外国人トップ

2022年11月号

 オリンパスは取締役執行役・最高管理責任者(CAO)のシュテファン・カウフマン氏(五十四歳)が来年四月一日付で、社長兼最高経営責任者(CEO)に就任すると発表した。
 このニュースを聞いて、日本の大手企業の取締役、管理職には苦い記憶と時代の転換を感じた人が少なくなかっただろう。二〇一一年夏に発覚し、日本企業のガバナンスの弱さと監査法人を含むビジネス界全体の不正への感度、倫理観の低さが世界に広く知られることになったオリンパス事件があったからだ。
 オリンパス事件は、一一年四月に同社社長に就任した英国人のマイケル・ウッドフォード氏がメディアの報じた損失隠しとそのためのM&Aがらみの不正資金移転、結果としての粉飾決算について、菊川剛会長や森久志副社長の引責辞任と徹底究明を求めたところ、臨時取締役会で逆に菊川会長らに解任されたという事件。
 不正の実態はその後、第三者委員会などで明らかにされ、菊川会長らは金融商品取引法違反で逮捕され、有罪となった。オリンパスの株価は急落、監査を担当した、あずさ、新日本の両監査法人も金融庁から業務改善命令を受けた。問題はオリンパスに・・・