みずほ「佐藤康博」の深刻な老害
統治不全が治らぬ諸悪の根源
2022年11月号
昨年に相次いだシステム障害の果てに、みずほフィナンシャルグループ(FG)が経営陣の刷新を余儀なくされたのは今年初めのことだ。坂井辰史社長は引責辞任に追い込まれ、二月一日、木原正裕氏が新たな代表執行役社長に就任した。いま、発足九カ月を過ぎた木原体制の真価が初めて問われようとしている。しかし、その前途に影がちらついている。坂井氏の前任社長だった佐藤康博氏が「まるで鵺のような存在」(みずほ関係者)となって、うごめいているというのだ。
みずほFGの泥沼ぶりは言語道断の事態だった。障害の発生にとどまらず、非常事態への対応の稚拙さが露呈した。システム面では、複数の開発ベンダーを統括する当事者意識の希薄さ、いわば「マル投げ体質」が浮き上がった。金融庁からは「自由にモノが言えない」企業風土やそれを助長したガバナンスが厳しく問われた。
当時のトップ、坂井氏は最終局面で体調が悪化し、一月の記者会見に姿を見せることもできなかった。それから九カ月、木原社長は毀損した信頼回復のため、「顧客回り」の行脚に忙殺されている。 いま、木原体制への関心は二つの部分に絞られてきた。ひとつは、既存の・・・
みずほFGの泥沼ぶりは言語道断の事態だった。障害の発生にとどまらず、非常事態への対応の稚拙さが露呈した。システム面では、複数の開発ベンダーを統括する当事者意識の希薄さ、いわば「マル投げ体質」が浮き上がった。金融庁からは「自由にモノが言えない」企業風土やそれを助長したガバナンスが厳しく問われた。
当時のトップ、坂井氏は最終局面で体調が悪化し、一月の記者会見に姿を見せることもできなかった。それから九カ月、木原社長は毀損した信頼回復のため、「顧客回り」の行脚に忙殺されている。 いま、木原体制への関心は二つの部分に絞られてきた。ひとつは、既存の・・・